負けが続いているから、次は勝つだろうという馬鹿な考え~ギャンブラーの誤謬


ギャンブルの誤謬という言葉がある。

サイコロ投げを例にしてみる。

4回続けて表が出ると、「次はそろそろ裏が出るだろう。」と考えたがる人はいるのではないだろうか。

4回連続で表が出る確率は、1/2×1/2×1/2×1/2=1/16で6.25%である。次も表が出る確率は、1/32(3.125%)となり、100回やって3回しか起こらない確率だからである。

だが、これはである。

表と裏が出る確率は毎回1/2であり、過去の結果と次に表裏が出る確率は独立していて関係はない。

これをギャンブラーの誤謬という。
つまり、ある一定の確率を有する出来事の見込み率が、その最近の出来事の発生状況により増えたり減ったりするという、誤った非科学的な考えのことである。


この誤解は競馬でもよく散見される。。

例えば、1番人気が5年連続で敗れているので、そろそろ1番人気が来るだろうとか、13番枠の馬が10年連続で連対してないので、そろそろ来るだろうなどというものである。

これらは愚かなだけで可愛いものかもしれないが、性質が悪いのが下記のような考えである。

最近外れ続けているから、そろそろ当たるだろう。

当然これもギャンルラーの誤謬である。

次に当たるかどうかは、これまで当たっていようが、外れていようが関係のないことである。

だが、こういった誤った考えを基に、常よりも大きい金額を賭け、破綻してしまう人間がいるのである。

皆様におかれましてはこのような愚かな考えをされぬよう心からお願い申し上げる次第である。


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人気薄を購入する大穴狙いは期待値が低いという話


馬券スタイルは人さまざまで、人によっては本命サイドの馬を好む人もいるし、人によっては大穴で一発を狙う人もいる。

それ自体は各個人の好みなのであまり言うつもりはないのだが、競馬を投資と考える場合、人気薄の馬は期待値が低いことは知っておいた方が良いだろう。

そう言うと、いやいや人気薄の馬は来る確率は低いが、的中した時の払い戻しも大きいので、期待値は人気馬と変わらないのでは?と思う方もいるだろう。

だが、下記の人気別回収率に関するグラフを見てほしい。

人気別回収率
データ競馬予想『激走!データ競馬+(plus)』様よりデータは拝借

青色が単勝回収率、赤色が複勝回収率であるが、いずれも12番人気あたりから回収率が急降下している。(本来なら単勝・複勝の払戻率である80%程度に落ち着かなければならない)


何故このような現象が起こるのか。

それの説明となるのがプロスペクト理論の確率加重関数と呼ばれるものである。

-----------------------
.プロスペクト理論の確率加重関数

人間の意思決定は確率をそのまま掛けた期待値によるのではなく、確率自体にあなたの思いを加重した(つまり確率加重関数によって変換した)主観的なデシジョン・ウェイトで各選択肢の価値を重み付けして行っていると言うもの。

確率加重関数の特徴は、低い確率が過大評価され、高い確率が過小評価される非線形性である。このような確率に対する非線形の評価は宝くじの購入や保険の加入の説明にもなる。まれにしか起きないにも関わらず、高額な当選金や事故による大きな被害のインパクトが人々の確率に対する評価を歪ませ、確率を過大評価させて、宝くじを買ったり保険に入ったりさせるのだろう。また、その歪み度合いには、当選した場合や事故にあった場合のインパクトの大きさが影響しているのではないかと思う。
あなたの思いに従う確率(NRI)より引用

-----------------------

この人間の特性により、大穴馬券(確率は低く、インパクトは大きい)のほうが過大評価されるため、実際の期待値よりも、オッズは低くなるのである。

これを大穴バイアスと呼ぶ。

大穴狙いのほうが儲けやすいと勘違いしている競馬馬鹿の方がいたら、ぜひ教えてあげてほしい。


【参考サイト】
人気別データと回収率、頭数による変化(データ競馬予想『激走!データ競馬+(plus)』様)
あなたの思いに従う確率(NRI)


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母方の影響を無視して血統予想をするのは馬鹿だという話


血統予想を見ていると、父方の血統については語るものの、母方の影響についてはほとんど無視するような論説が目立つ。

例えば「ダンスインザダーク産駒は長距離戦が得意」だとか、「ディープインパクト産駒は雨で割引」のようなものである。

これは正しいのだろうか?

私は競馬を始めた当初から、この理論に違和感があった。子供というのはお父さんの影響だけではなく、お母さんの影響も受けるはずである。それなのに父方の影響にフォーカスして予想するのは正しい姿勢なのだろうか?


そんな長年の疑問を解決するような記事が2015年8月に発表されていた。

競走能力は父馬よりも母馬からの影響が大きいとする研究



この記事の概要は以下の通りである。

----------------------

・競走馬を4つグループに分けてみる
 1.エリート母馬/エリート父馬(EE)
 2.エリート母馬/プア父馬(EP)
 3.プア母馬/エリート父馬(PE)
 4.プア母馬/プア父馬(PP)
※サンプルはオーストラリアの競走馬675頭

・それぞれのグループごとに競走馬の成績を見ると、EE>EP>PP>PEの順番であった

・結果、母方の影響が、父方の影響より大きいと考えられる

・母系のみで受け継がれるミトコンドリアDNAが影響しているのではという仮説がある

----------------------

つまりこの研究では、競走馬の能力を血統から判断する場合、父方よりも母方を見た方が良いと言っているのである。


というわけで、もしあなたが血統予想を極めようと思っているのならば、母方の血統であったり、競争成績であったりといったものに目を向けることをお薦めするのである。


なおこのブログ記事には「母方の影響を無視して血統予想をするのは馬鹿」と刺激的なタイトルをつけたが、本当のところ、それは馬鹿というほどの話ではないと思う。(記事にインパクトをつけたかっただけである。ごめんなさい)

なぜなら牡馬なら1年に200頭を超える子供を作ることができるが、牝馬は1年に1頭しか作ることができない。これではデータが不十分なので、予想法として確立するのは難しいのも道理なのである。


【参考サイト】
競走能力は父馬よりも母馬からの影響が大きいとする研究(アメリカ)【生産】(ジャパンスタッドブックインターナショナル )
Potential role of maternal lineage in the thoroughbred breeding strategy(上記記事の元論文・Abstractのみ)


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馬券で生活すると言っている奴はだいたい馬鹿というお話

競馬界には「馬券で生活できる」と信じている夢追い人がたくさんいるのを私は知っている。

そういった人たちはだいたいおつむが足りないというお話しである。

私の周りにもそういう輩が多くいた。

が、一人も下記についての計画を語れる人間はいなかった。

・的中率
・平均的中オッズ
・平均購入金額
・1ヶ月あたりの購入レース数

これを基に回収率や収支が計算することになるため、馬券生活において非常に重要な数値である。

回収率=的中率×平均的中オッズ
収支=(回収率ー100%)×平均購入金額×1ヶ月あたりの購入レース数



仮にAさんという凄腕馬券師を想定してみよう。
彼は下記のような馬券スタイルである。

・的中率50%
・平均購入オッズ3倍
・購入金額10万円
・毎週1回の勝負レース

長期にわたって、単勝3倍(複勝3倍でも良い)を2回に1回の確率で的中できている予想師はほとんどいないだろう。
私はそんな予想家を一人も知らない。(短期ならたくさんいると思うが)
この場合、回収率は150%になる。

が、この凄腕馬券師ですら、月の収入は20万円、年収240万円である。

お小遣いとしては十分だろうが、生活費としては不十分である。
年収240万円の男は合コンでも相手にされないだろう。

で、この計算式を見ると、「購入金額が10万円だから儲けが小さいだけじゃないか」と思われることもいることだろう。

その指摘は正しい。

仮に1回あたりの購入金額を50万円にすれば、年収1200万円である。
これだけあれば合コンでもモテモテだろう。

だが、ちょっと考えてほしい。

あなたに1回50万円も馬券を買うだけの資金力と胆力があるだろうか?

うっかり1ヶ月の勝負レース4回中2回当てるつもりが、1回当て損ねてしまうと、月の収入はー50万円になる。
また、運悪く、最初に4連敗しようもんならそれだけで借金200万円である。(1/16と決して起こらない確率ではない)
そんなリスクと隣り合わせの生活をあなたはできるだろうか?

しかもこれは凄腕馬券師Aさんの場合である。
もしあなたの回収率が150%なければ、もっと大きい金額を賭けなければならない。(普通の人は回収率が150%もあることはない)
※ちなみに50万円も賭けると、大体の場合オッズが下がり、回収率が保てないことにも注意が必要である。

普通の人なら、精神が持たないだろう。
正直、会社員生活を行った方が、はるかに楽で自由で安定した生活ができる。
多くの人はそこまで思考が至っていないように思う。

またもし精神力に自信があるのならば、その能力を競馬以外に活用しないのは馬鹿だと思うのである。


というわけで、競馬で生活するためには、購入金額よりも、購入回数を増やすほうが健全である。

例えば週に50レース(≒土日2日間×2競馬場×12レース)賭けれる場合、回収率150%あれば、1レース当たり1万円でも月に100万円のプラスになる。
実際に2億円近く儲けて脱税事件になっている方も、ソフトと指数を駆使して、ほぼ全レースを購入していたらしい。

では、あなたの予想方法は、購入回数を増やせる予想スタイルだろうか?
新馬戦・未勝利戦でも使えるだろうか?
ダート戦でも、ハンデ戦でも使えるだろうか?

もし、そこまで検討したうえで、馬券で生活と言っているのならば、私は何も言わない。
が、万が一「勝負レースを厳選」などと言っているようならば話にならない。

思考もなしに、なんとなく「オレ、馬券の天才だから生活できる」と感覚的に言っている人間は、馬鹿と断言して問題ないのである。

もしあなたが万が一、そのような夢を頂いているのならば、いち早くそのような幻想を捨てていただくことを心からお願い申し上げる。
※私のブログを見に来ている時点で、あなたが競馬の天才である可能性は0である。


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はじめに


私は物理学を専攻していた。

なので、一般的には「理系」というものに分類される人間である。

そんな私から見ると、競馬界には「科学的な裏付けがない理論」であったり、「根拠に乏しい言説」が多いように思う。

しかも、素人たちがのたまっているのならともかく、プロが書いているはずの競馬新聞であったり、競馬玄人を自称する人気ブログでも散見されるのである。

私はこの状況にメスを入れたい。

動機は単純である。

馬鹿が偉そうにしているのが許せないのである。

そして、競馬好きの皆様にはぜひ賢くなってほしい。

競馬界のとんでも理論に振り回されて、皆様の貴重なお金を失う必要はない。

このブログが皆様の一助になれば幸いである。


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